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アロマはどうして心と体に良いの?

痛みより速い⁈

 

前回のブログ「鼻のこと」で、嗅覚は、生きるために不可欠なことを判断するとても重要な感覚であるというお話をしました。自然界で匂いが発生すると、多くの生き物はその原因が何かを見極め、敵か味方か、食物か毒かなど、生命への影響を“瞬時に”判断しなければなりません。匂い・香りの情報が脳に伝わるその速さは0.2秒といわれています。歯痛や胃痛など激しい痛みが認識されるまでには0.9秒以上かかると考えると、相当な速度であることが分かりますよね。

 

香りは直接 脳に伝わる

 

嗅覚の刺激が送られるのは、脳の中でも感情や本能を司る大脳辺縁系というところです。詳細には、その大脳辺縁系から香りの情報(電気信号)をキャッチする「嗅球」が、左右の鼻の穴の奥、鼻腔の天井の上に伸びています。嗅覚は脳に直結しているのです。

 

香りは直接脳に伝わる

 

大脳辺縁系は、いくつかの脳組織の複合体です。

畳の匂いを嗅ぐと、夏休みにおばあちゃんの家で過ごしたことを思い出す、というようなことはありませんか。このように香りで記憶がよみがえるのは、記憶の中枢である「海馬」が刺激されるから。認知症の予防や進行防止にアロマが注目されているのは、香りを嗅ぐことで海馬に刺激を与え、活性化するためなのです。

また、ある匂いを嗅いだ時(それが何の匂いかを考える前に)一瞬にして、好きか嫌いかが分かりますよね。これは、快・不快や好き・嫌い、喜怒哀楽といった情動の中枢「扁桃体」が反応するからです。良い香りを嗅いだ途端にイライラがおさまった、ある香りを感じた瞬間に落ち込んでいた気持ちがリフレッシュした、ということが起こるのはこのためです。

大脳辺縁系には、自律神経を司る「視床下部」も含まれます。ここに香りの情報が伝わると、体温や睡眠、ホルモンの分泌、免疫機能などのバランスを整えます。いい匂いだなー…と眠くなってきたり、女性特有の更年期や月経に伴う様々な症状を緩和してくれたり。ミントなどのスーッとした香りを嗅いで体感温度が下がるのも、そうですね。

このように、嗅覚と脳のメカニズムとの関係性を上手に利用すると、香りの力を心や体の健康増進に役立てることができるのです。

 

もっと鼻を利かせよう

 

とはいえ、いくら一般的に効能がある香りだとしても、その香りがあなたの嫌いな香りだとしたら逆効果となってしまいます。

アロマ(精油)に限らず、自然の香り…散歩中の植物や風の香り、潮の香り、太陽の香りのするお布団、雨の匂い、美味しそうなご飯の香り、大好きなペットや家族の匂いなど、ご自身にとっての“いい匂い~♪”をたくさん見つけましょう。香りは一瞬で心身の健康をシフトします。好きな香りが増えると、その香りを嗅ぐ度に心と体のメンテナンスに良いことばかりです。もっともっとクンクンして、鼻を利かせていきましょう!

 

野原を散歩する女性

 

 

 

この記事を書いた人

やまだ かおり

神奈川県湘南・大磯で、nico_tto~かおりの教室~をしております。暮らしを彩るアロマグッズの販売やワークショップ等も随時開催。曲の世界観を香りにしたearphone・aroma(イヤホンアロマ)を世に広めるべく奮闘中♪
【保有資格】AEAJアロマテラピーインストラクター・アロマハンドセラピスト、@aromaアロマ空間デザイナー

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